特集 膵・胆管合流異常と先天性胆道拡張症
6 .胆道発癌
土田 明彦
1
,
永川 裕一
1
,
林 豊
1
,
瀧下 智恵
1
,
刑部 弘哲
1
,
木谷 嘉孝
1
1東京医科大学消化器・小児外科学分野
キーワード:
胆道発癌
,
膵・胆管合流異常
,
先天性胆道拡張症
Keyword:
胆道発癌
,
膵・胆管合流異常
,
先天性胆道拡張症
pp.385-389
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001108
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膵・胆管合流異常と先天性胆道拡張症は,先天性の形成異常であり,胆道癌のリスクファクターである.膵管と胆管がOddi 括約筋の作用が及ばない十二指腸壁外で合流し,膵液と胆汁が相互に逆流する.活性化された膵酵素の影響により,胆道上皮の破壊と修復が繰り返され,細胞回転が亢進し,K‒rasやp53 などの遺伝子変異が生じる.出生後早期から胆道上皮には広範な過形成変化が生じ,年齢とともに異形成や癌を高率に合併するため,癌が存在しなくても,発癌母地を軽減するための予防的手術が推奨される.近年,予防的手術後に,遺残胆道や膵管に発癌する報告が散見され,切除範囲の見直しや化学予防の必要性が望まれる.
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