特集 膵・胆管合流異常と先天性胆道拡張症
3 .形態的特徴からみた発生論
藤井 秀樹
1
,
細村 直弘
1
,
川井田 博充
1
,
市川 大輔
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部外科学講座第1 教室
キーワード:
発生学
,
肝憩室
,
腹側膵原基
,
共通管
,
narrow duct segment
Keyword:
発生学
,
肝憩室
,
腹側膵原基
,
共通管
,
narrow duct segment
pp.363-372
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001105
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先天性胆道拡張症と膵・胆管合流異常を理解するためには,胎生第3 週目末から胎生第12週目までの発生学を理解することが必須である.先天性胆道拡張症では原始総胆管が重層する上皮で閉塞している状態から内腔形成が生じることが重要である.膵・胆管合流異常の発生は原始総胆管と腹側膵原基の膵管との合流に異常が生じるもので,背側膵原基は決して関与しない.その発生論に関しては腹側膵原基が2 葉存在するという立場から2 葉の膵管が遺残したとする説,腹側膵管と原始総胆管が異常に近接したために本来とは異なる部位で交通するという説,原始総胆管と十二指腸の間に腹側膵が介在したために胆管が直接膵管に流入するという説が代表的である.
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