一頁講座 関節・1
関節の発生学
間藤 方雄
1
1自治医大解剖学教室
キーワード:
関節
,
発生学
Keyword:
関節
,
発生学
pp.67
発行日 1978年1月10日
Published Date 1978/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103927
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関節は筋の収縮により生じた力に方向性を与え,体の移動,四肢の合目的的な運動を可能とする器官といえよう.その形態はカニ等にみられる関節結節,関節陥凹とも呼ぶべき部分からなる単純なものから,ヒトのごとく,関節頭,関節窩,関節軟骨,関節腔,関節包及びその附属物からなる複雑な構造を有するものまである.関節包は更に外側の線維膜と内側の滑沢な滑膜とからなるが滑膜は関節に特有な注目すぺぎ組織である.
関節の発生はヒトの膝関節では胎生3週から6週にかけて行われ,胎生8週頃には機能的にも一応完成していると考えられる.即ち,胎生8週において,胎児がある種の運動をすることが発生学的に確められているので,この時期までには神経系,筋系の発達と共に関節の形成も可成り進んでいることが想像される.
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