Japanese
English
特集 肝区域と画像診断update
各論
脈管解剖の基本と変異の理解
発生学からみた肝の基本構築
Development of vascular structures in human liver
進藤 潤一
1
,
長谷川 潔
1
,
國土 典宏
1
Junichi SHINDOH
1
,
Kiyoshi HASEGAWA
1
,
Norihiro KOKUDO
1
1東京大学医学部 肝胆膵外科
1Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery Division,Department of Surgery,Graduate School of Medicine,University of Tokyo
キーワード:
門脈
,
肝静脈
,
肝動脈
,
胆管
,
発生学
Keyword:
門脈
,
肝静脈
,
肝動脈
,
胆管
,
発生学
pp.349-354
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100416
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要旨
肝は胎生第4週,前腸末端より肝芽として発生を開始する.胎生初期の肝臓は左右対称であり,Couinaudの4つのSector(左右の外側領域,傍正中領域)は早い段階で既に形成されている.われわれが見慣れた非対称な肝の原型はその後の血行動態の改変のプロセスによって完成するが,門脈,静脈はこれら4つのSectorと関連を持ちながら発達するため解剖学的変異が少ない.一方,動脈や胆管は門脈・静脈の基本形が形成された後に遅れて発生するため,その分岐形態にはバリエーションが多い.こうした発生学的見地から考えると,肝の区域解剖は門脈・静脈をベースに理解するのが合理的である.
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