特集 B 型肝炎Trends & Topics
10.わが国におけるHB ワクチン使用の現状と展望
土肥 弘義
1,2
,
考藤 達哉
2
1新百合ヶ丘総合病院 消化器内科
2国立国際医療研究センター肝炎免疫研究センター肝疾患研究部
キーワード:
B型肝炎
,
ワクチン
,
定期接種化
Keyword:
B型肝炎
,
ワクチン
,
定期接種化
pp.199-204
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001052
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B型肝炎ウイルス感染者は生涯,肝炎や肝癌のリスクを背負うことになる.それを避けるためには,B型肝炎ワクチン(HBワクチン)により感染自体を予防することが最善の方法である.わが国で行われてきた従来の母子感染対策では水平感染を予防することはできないため,感染リスクの高い人には任意接種でHBワクチンが投与されてきた.HBワクチンは非常に優れたワクチンであるが,不応答者の存在をはじめ未だ解決すべき課題が残っている.2016年より乳児期での定期接種化が開始され,今後はB型肝炎患者の減少が期待されるが,依然として抗体をもたない多くの国民が存在しており,社会背景が大きく変化する現代においてはその対策は急務である.
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