綜説
水痘ワクチン定期接種化後の水痘患者の疫学変化と臨床像について
服部 文彦
1,2
,
吉川 哲史
2
1刈谷豊田総合病院小児科
2藤田保健衛生大学医学部小児科学
キーワード:
水痘ワクチン
,
定期接種化
,
breakthrough水痘
Keyword:
水痘ワクチン
,
定期接種化
,
breakthrough水痘
pp.291-297
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000798
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2014年10月から弱毒生水痘ワクチン(岡株)が定期接種化された.米国では1996年より水痘ワクチン定期接種が導入され,定期接種導入前後の疫学調査で本ワクチンの有効性が証明されている.わが国においても定期接種化後,水痘患者数の減少が確認されてきているが,一方で罹患年齢の中心が定期接種対象から漏れた年長児へとシフトしてきており,年長児へのキャッチアップ接種は今後の重要な課題である.また,ワクチン接種率上昇に伴い,ナチュラルブースター効果の減弱によるワクチン接種後罹患や帯状疱疹の発症率増加が懸念され,水痘患者に加え帯状疱疹患者のモニタリングを継続することも望まれる.
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