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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第2章 慢性腎臓病・透析合併症
55.肝炎:B型慢性肝炎,肝硬変;抗ウイルス療法
Antiviral therapy for chronic hepatitis B virus infection in hemodialysis patients
豊田 秀徳
1
,
菊地 勘
2
Toyoda Hidenori
1
,
Kikuchi Kan
2
1大垣市民病院消化器内科
2下落合クリニック
キーワード:
B型肝炎
,
透析
,
肝線維化
,
肝細胞癌
,
エンテカビル
,
テノホビル
Keyword:
B型肝炎
,
透析
,
肝線維化
,
肝細胞癌
,
エンテカビル
,
テノホビル
pp.428-431
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002173
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1 はじめに
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)の慢性感染は,透析患者における重要な疾患の1つである。HBV感染は症例により慢性肝炎を生じて肝線維化の原因となり,肝線維化の進行は肝硬変へと至る。肝硬変は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)発生の高リスク因子であり,透析患者においても生命予後に大きく影響する可能性がある。またHBV感染は血液感染による感染症であり,透析施行時にはその感染予防のための対応が必要となる。これらのことを踏まえて,日本透析医会による「透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン」では,HBV感染透析症例の管理と治療についての項目が記載されている1)。透析患者においてはHBV感染の有無・状態を適切に診断し,肝硬変への進行が危惧される例に対しては適切な進行抑制の方策を行う必要がある。またHCC発生のリスクを想定したサーベイランスを行うことも推奨される。

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