特集 胃癌診療2019―現状と課題
4 .胃癌治療の現状と課題(6)化学療法
石川 将史
1
,
朴 成和
1
1国立がん研究センター中央病院消化管内科
キーワード:
切除可能胃癌
,
切除不能進行・再発胃癌
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
ニボルマブ
,
ペンブロリズマブ
Keyword:
切除可能胃癌
,
切除不能進行・再発胃癌
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
ニボルマブ
,
ペンブロリズマブ
pp.1390-1396
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000944
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現在,切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法は,一次治療としてフッ化ピリミジン系代謝拮抗薬と白金製剤を併用した治療が推奨され,HER2(human epidermal growth factor receptor type 2)陽性の場合はトラスツズマブの併用が推奨されている.今回の「胃癌治療ガイドライン」第5 版では,新たに「推奨されるレジメン」「条件付きで推奨されるレジメン」に区分され,二次治療および三次治療以降に関しても大幅な改訂がなされている.一方,切除可能胃癌に対する周術期化学補助療法に関しては,現在StageⅡに対してはS‒1 療法の術後1 年間投与が推奨され,StageⅢにはS‒1 療法およびCapeOX 療法の術後6 カ月投与が推奨されている.JACCRO GC‒07 試験の結果から今後StageⅢに対する術後化学療法としてDS (DTX+S‒1)療法が標準治療として追加される可能性が考えられる.また,免疫チェックポイント阻害薬についてもKEYNOTE‒059 試験やATTRACTION‒04 試験のPartⅠにて良好な結果が報告されており,今後免疫チェックポイント阻害薬を含む一次治療の確立が期待される.
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