特集 がん免疫療法:最近の進歩と展望
免疫チェックポイント阻害薬の臨床:肺がん
河 良崇
1
1兵庫県立がんセンター呼吸器内科医長
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
ニボルマブ
,
ペンブロリズマブ
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
ニボルマブ
,
ペンブロリズマブ
pp.35-39
発行日 2016年10月20日
Published Date 2016/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.10_0035-0039
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2015年12月にわが国で非小細胞肺がんに対して免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブが適応拡大され,治療に新たな選択肢が加わった。生体内にはがんに対する免疫監視機構がある。それにもかかわらずがんが増殖するメカニズムとしてがん免疫編集があり,以下のように排除相,平衡相,逃避相からなる。免疫反応によりがん細胞は排除される(排除相)。しかし,免疫原性の低い(免疫反応を起こしにくい)がん細胞は完全には排除されず,平衡状態となる(平衡相)。平衡相の後にがん細胞が免疫反応から逃避し,増殖する(逃避相)1)。免疫逃避のメカニズムは複合的であり,腫瘍細胞における抗原提示の減少による免疫原性の低下,制御性T細胞や骨髄由来抑制細胞といった免疫抑制細胞の漸増,サイトカイン放出などの免疫抑制因子の遊離,免疫チェックポイント分子による免疫抑制などがある2)。「KEY WORDS」免疫チェックポイント阻害薬,ニボルマブ,ペンブロリズマブ
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