特集 胃癌診療2019―現状と課題
4 .胃癌治療の現状と課題(5)開腹手術
安福 至
1
,
吉田 和弘
1
,
山口 和也
1
,
棚橋 利行
1
,
今井 健晴
1
,
末次 智成
1
1岐阜大学腫瘍外科
キーワード:
胃癌
,
脾摘術
,
減量手術
,
網囊切除
,
conversion therapy
Keyword:
胃癌
,
脾摘術
,
減量手術
,
網囊切除
,
conversion therapy
pp.1384-1389
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000943
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2018 年1 月に「胃癌治療ガイドライン」第5 版が出版され,開腹手術に関する新たなエビデンスが収載された.第Ⅲ相試験の結果,大彎にかからない上部進行胃癌に対する根治的胃切除術においては脾温存術式の脾摘術に対する非劣性が示された.一方根治切除不能Stage Ⅳ胃癌に対する減量手術は,日韓共同第Ⅲ相試験の結果化学療法単独に対する優越性を示すことができず,その意義は否定された.Stage Ⅳ胃癌に対しては,近年化学療法が奏効した症例に対してR0 切除を目指した根治切除を行うconversion therapy の有用性が報告されている.化学療法が奏効した症例を慎重に選択し手術を行うことで,Stage Ⅳであっても治癒を含めた長期生存が期待できる.
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