連載 薬の知識
トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ®)― 化学療法後に増悪したHER2 陽性の切除不能進行・再発胃癌
岡田 真央
1
,
岩佐 悟
1
,
朴 成和
1
1国立がん研究センター中央病院消化管内科
キーワード:
HER2陽性
,
切除不能進行・再発胃癌
,
トラスツズマブ デルクステカン
Keyword:
HER2陽性
,
切除不能進行・再発胃癌
,
トラスツズマブ デルクステカン
pp.800-803
発行日 2021年6月20日
Published Date 2021/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001826
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「胃癌治療ガイドライン」では,HER2(human epidermal growth factor receptor type 2;ヒト上皮増殖因子受容体2型)陽性の切除不能進行・再発胃癌に対する一次治療として,カペシタビン+シスプラチンあるいはS—1+シスプラチンとトラスツズマブの併用が推奨されている.これまで,トラスツズマブに抵抗性となったHER2陽性胃癌に対して,いくつかの抗HER2薬の開発が試みられてきたが,いずれも成功しなかった.トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ®)は,化学療法歴のあるHER2陽性の切除不能進行または再発乳癌に対して2020年3月に承認された薬剤であるが,日米共同第Ⅰ相臨床試験および日本・韓国で実施された無作為化第Ⅱ相臨床試験(DESTINY—Gastric01)の結果に基づき,2020年9月にがん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除困難な進行・再発胃癌の新規治療薬として本邦で承認された.
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