炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅴ 炎症性腸疾患の内科治療 ③副腎皮質ステロイド
杉本 健
1
1浜松医科大学第一内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
副腎皮質ステロイド
,
ブデソニド
,
寛解導入療法
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
副腎皮質ステロイド
,
ブデソニド
,
寛解導入療法
pp.812-816
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000807
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活動期潰瘍性大腸炎(UC)において副腎皮質ステロイドは迅速な寛解導入効果を有し,投与後1 カ月で約85%という高い有効率が得られる一方で,1 年後に約50%がステロイド抵抗性あるいはステロイド依存性,すなわち難治性になることが知られている.一方クローン病(CD)においては活動期CD に対する寛解導入療法としては生物学的製剤が近年大きな成果を上げており,これまで寛解導入薬の中心であったステロイド薬は長期の投与に伴う副作用が問題となり,生物学的製剤にその地位を譲渡しつつある.しかし近年本邦でも短期作用型ステロイド薬であるブデソニドがUC では局所注腸製剤として,CD では経口徐放製剤として使用できるようになり,炎症性腸疾患(IBD)におけるステロイド薬の治療戦略は新たな局面を迎えている.
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