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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019
4.皮膚疾患治療のポイント
天疱瘡・類天疱瘡の治療におけるアザチオプリン
Azathioprine in treatment for pemphigus and pemphigoid
山上 淳
1
Jun YAMAGAMI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
天疱瘡
,
類天疱瘡
,
自己免疫性水疱症
,
免疫抑制薬
,
ガイドライン
Keyword:
天疱瘡
,
類天疱瘡
,
自己免疫性水疱症
,
免疫抑制薬
,
ガイドライン
pp.101-104
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205715
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summary
天疱瘡および類天疱瘡の診療ガイドラインでは,ステロイドの早期減量効果およびステロイド減量時の再発予防効果を主に期待して,免疫抑制薬を使用することが提唱されている.代表的な免疫抑制薬であるアザチオプリンは,天疱瘡に対しては比較試験等により併用の有用性が確立されつつある一方で,類天疱瘡群では報告が少なく,有効性についての結論は出ていない.軽症・中等症の天疱瘡・類天疱瘡症例に対して,アザチオプリン単剤療法は有効な選択肢の1つになりえることが最近報告された.アザチオプリンの副作用として,感染症,肝機能障害,骨髄抑制,消化器症状,悪性腫瘍の発生などに留意する必要があるが,重篤な白血球減少症および脱毛症の発症が,NUDT15(チオプリン代謝酵素)の遺伝子多型に関連することが判明している.2019年1月現在,自己免疫性水疱症に対して保険適用のある免疫抑制薬はなく,今後の状況の改善が望まれる.
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