特集 CT colonography 2019―今日までの進歩と現状,そして大腸がん検診への展開
5 .CT colonography の有用性を巡って(2) 地域医療の立場から―高齢者に対する精密検査法としてのCT colonography の有用性
八坂 貴宏
1
,
安田 貴明
2
,
山口 将太
3
,
本田 徹郎
4
1長崎県上五島病院外科
2長崎県上五島病院放射線科
3長崎県上五島病院内科
4長崎みなとメディカルセンター消化器内科
キーワード:
CTC
,
地域医療
,
離島医療
,
高齢者
Keyword:
CTC
,
地域医療
,
離島医療
,
高齢者
pp.289-294
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000680
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大腸癌の精密検査法は全大腸内視鏡(total colonoscopy;TCS)であるが,高齢者は全身状態の低下や併存症により,内視鏡検査を容易に実施できないケースも少なくない.高齢者の多い離島病院においてCT colonography(CTC)を導入したが,6 mm 以上の病変の発見精度は,TCS と比較して感度94%,特異度92%であり,偶発症は0%であった.CTC は,高齢者に対しても,安全にそして有効に活用できる検査法であると考えられた. 85 歳以上の超高齢者に対するTCS 精密検査後の評価では大腸癌関連死はわずか7%であった.CTC は内視鏡検査より検査時間が短く,消化管前処置の負担が少なく,高齢者にも行いやすい.高齢者の大腸癌の予後や身体状況を考慮すると,精密検査として受容性の高いCTC を先行し,トリアージの後,TCS に移行する方法もありうると考えられた.
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