Japanese
English
今月の主題 腸管三次元CT診断の現状
序説
CT enterography/colonographyの現況と展望
Introduction
平田 一郎
1
Ichiro Hirata
1
1藤田保健衛生大学消化管内科学講座
キーワード:
MDCT
,
CT entrography
,
CT colonography
,
大腸癌
,
IBD
Keyword:
MDCT
,
CT entrography
,
CT colonography
,
大腸癌
,
IBD
pp.7-11
発行日 2012年1月25日
Published Date 2012/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104777
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はじめに
Helical CTの発達により腸管の三次元表示が可能となり,Viningら1)はこの方法を応用してCTC(CT colonography)を報告した.その後,多列検出器型CT(multi detector-row CT ; MDCT)が開発され空間画像分解能は飛躍的に向上し,消化管を内腔側から三次元的に,より詳細に評価することが可能となった.
近年,CT colonographyはX線被曝を除けば大腸内視鏡検査よりも非侵襲的であり,新しい大腸の検査法として大腸癌スクリーニングなどでその有用性が評価されている2)~8).また,最近では,潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)に対してもその臨床応用が試みられている.
一方,CT enterographyは長くて屈曲や重なりの多い小腸を目的臓器とするため,病変の描出能,診断能はCT colonographyに比べ良好とはいえない.しかし,64列MDCT装置の出現によって,その臨床応用への試みが益々盛んとなり9)~16),小腸X線造影検査,バルーン小腸内視鏡検査,カプセル内視鏡検査に加えて小腸疾患アプローチの手段のひとつとなりつつある.
本号では,経験豊かな各施設によって,腸管の腫瘍性病変や炎症性病変の診断におけるCT enterography/colonographyの現況と問題点が熱く論じられるものと期待する.
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