特集 CT colonography 2019―今日までの進歩と現状,そして大腸がん検診への展開
4 .CT colonography―検査法を巡って(2)低線量撮影法
尾田 済太郎
1
,
田口 奈留美
2
,
横田 康宏
2
,
伊牟田 真功
2
,
土亀 直俊
3
,
山下 康行
2
1熊本大学大学院生命科学研究部画像診断解析学
2熊本大学医学部附属病院画像診断科・治療科
3熊本県総合保健センター
キーワード:
CT colonography
,
X 線被ばく
,
低線量撮影
Keyword:
CT colonography
,
X 線被ばく
,
低線量撮影
pp.265-273
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000677
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近年,CT コロノグラフィー(CTC)のニーズが高まっている一方,X 線被ばくを伴う検査ゆえ,その適正使用と標準化が課題となっている.放射線診療の大原則は「行為の正当化」と「防護の最適化」であり,X 線を扱う医療従事者すべての共通認識とする必要がある.「適切な検査適応」についてはエビデンスに基づいた明確な検査目的の設定が必要である.「X 線被ばくの最適化」については国際放射線防護委員会が提唱するALARA (as low as reasonablyachievable)の原則に則る必要がある.放射線診療の大原則を遵守して,不必要な被ばくを最小化し,合理的なCTC の実施に努めるべきである.X 線量を下げると画質は劣化し,診断に影響しうる.しかし,求めるべきは「検査目的に必要十分な画質」であって「きれいな画質」ではない.本稿ではCTC の低線量撮影法について概説するとともに,放射線診療にまつわる重要事項(診断参考レベル,偶発所見,value‒based medicine)と将来性のある新技術についても紹介する.
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