特集 十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診療を巡って―現状と課題
4 .十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の治療を巡って(6)偶発症予防対策:胆膵ドレナージとPGA シート
滝本 見吾
1
,
江坂 直樹
1
,
遠藤 文司
1
,
水本 吉則
1
,
勝島 慎二
1
,
玉置 大
2
1国立病院機構京都医療センター消化器内科
2医仁会武田総合病院消化器センター
キーワード:
内視鏡的経鼻膵管ドレナージ
,
ESD
,
ポリグリコール酸シート
,
偶発症
,
遅発性穿孔
Keyword:
内視鏡的経鼻膵管ドレナージ
,
ESD
,
ポリグリコール酸シート
,
偶発症
,
遅発性穿孔
pp.1289-1294
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000504
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十二指腸ESDによる遅発性穿孔は他の消化管ESDより高率であり,その理由は潰瘍底に膵液・胆汁が曝露することが挙げられる.予防する方法は潰瘍底を縫縮またはシートで保護するか,膵液・胆汁の体外ドレナージであると考える.クリップ縫縮で潰瘍底を完全縫縮することも有用な方法だが,ESD術後潰瘍底は切除径が大きいためクリップ縫縮が難しい.ポリグリコール酸シートという外科領域では以前より頻繁に使用されている吸収性シートを潰瘍底に敷き詰めてフィブリン接着剤で接着させる内視鏡的被覆法をわれわれは行ってきた.また,膵液は体内でもっとも強力な消化酵素であることより膵液曝露予防が重要と考え,内視鏡的経鼻膵管ドレナージ術を遅発性穿孔予防に行ってきた.本稿では同法の成績と工夫およびその有用性と課題について報告する.
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