特集 十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診療を巡って―現状と課題
4 .十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の治療を巡って(3)ESD
落合 康利
1
,
後藤 修
2
,
中山 敦史
1
,
加藤 元彦
1
,
前畑 忠輝
1
,
矢作 直久
1
1慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
2日本医科大学付属病院消化器肝臓内科
キーワード:
十二指腸
,
ESD
,
偶発症
Keyword:
十二指腸
,
ESD
,
偶発症
pp.1269-1276
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000501
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
乳頭部を除く表在性十二指腸腫瘍は,従来まれな腫瘍といわれていたが,近年になり内視鏡機器の開発,内視鏡医の技術の進歩および認知度の上昇などによりその報告は徐々に増えてきている.腺腫や粘膜内癌に対しては低侵襲治療が求められているが,その臓器特異性および治療難易度の高さから大型の十二指腸腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)は一般化できていないというのが現状かと思われる.われわれの部門では十二指腸ESDの際の工夫としてwater pressure methodおよびstring clip suturing methodを治療および術後偶発症対策として行っている.今後の課題としては治療症例の集約と保険の見直しが必要かと考える.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.