特集 非乳頭部十二指腸腺腫・癌の診療方針
8.十二指腸腫瘍に対する内視鏡治療の偶発症対策
土肥 統
1
,
瀬谷 真由子
1
,
落合 都萌子
1
,
福井 勇人
1
,
岩井 直人
1
,
伊藤 義人
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
十二指腸内視鏡治療
,
偶発症
,
創部閉鎖
Keyword:
十二指腸内視鏡治療
,
偶発症
,
創部閉鎖
pp.1523-1530
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002840
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十二指腸腫瘍に対する内視鏡治療は,他の消化管の内視鏡治療よりも明らかに偶発症のリスクが高いものの,腺腫や粘膜内癌が多いため,外科手術の侵襲を考慮すると内視鏡治療の必要性が高い.近年,さまざまな内視鏡治療法が開発・普及し,安全性と有効性がさらに高まっている.さらに,大規模な十二指腸内視鏡治療の後ろ向き研究の結果が発表され,十二指腸内視鏡治療全体の有効性や偶発症のリスクが明らかとなってきている.偶発症リスクが低いCP,EMR,U-EMRに比して,ESDは術中穿孔,術後出血,遅発性穿孔のリスクが高いものの,術後の創部閉鎖が偶発症予防に有用である.内視鏡治療および創部閉鎖手技にはさまざまな方法が登場しており,今後は術後合併症の減少が期待される.
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