特集 十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診療を巡って―現状と課題
3 .十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診断を巡って(1)内視鏡診断
辻 陽介
1
,
藤城 光弘
1,2
,
小池 和彦
1
1東京大学医学部附属病院消化器内科
2東京大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍
,
狭帯域光観察
,
腺腫
,
癌
Keyword:
十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍
,
狭帯域光観察
,
腺腫
,
癌
pp.1239-1244
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000497
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十二指腸の上皮性非乳頭部腫瘍は低頻度ながら昨今発見率が上昇しており,通常内視鏡検査でも十二指腸下行部を油断なく検査し隆起や陥凹,また白色調の色調変化を探す必要がある.色調や腫瘍径,白色の色調変化の分布パターンなどから高異型度腺腫や癌をある程度診断できるが例外もあり,一方で生検診断の正診率も決して高くはなく内視鏡診断を凌駕するものではない.生検により腫瘍直下の粘膜下層の線維化が生じ内視鏡治療が困難になることも報告されており,現時点では内視鏡診断を正確に行うよう努めつつも必要に応じて最小限の生検診断を行い,総合的にSNADETの診断を行う必要があると考えられる.
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