特集 消化管内視鏡診断の基本手技
上部消化管 十二指腸の画像強調内視鏡診断法
菊池 大輔
1
,
光永 豊
,
岡村 喬之
,
野村 浩介
,
田中 匡実
,
松井 啓
,
布袋屋 修
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 消化器内科
キーワード:
画像強調
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
鑑別診断
,
腺癌
,
腺腫
,
微小血管系
,
狭帯域光観察
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Duodenal Neoplasms
,
Image Enhancement
,
Adenocarcinoma
,
Adenoma
,
Duodenoscopy
,
Narrow Band Imaging
,
Microvessels
pp.545-551
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020250297
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日常診療において、十二指腸非乳頭部腫瘍に遭遇する頻度が上昇している。十二指腸の内視鏡診断は押さえておくべき手技的なポイントとコツが存在する。診断基準に関する一定のコンセンサスは得られておらず、どの診断方法においても長所と短所が存在する。筆者らはNBI拡大内視鏡を用いて微細模様と微小血管を観察し、構成するパターンから診断する十二指腸腫瘍のための新たな診断アルゴリズムを用いて診断を行っている。本アルゴリズムでは微細模様をpreserved、micrified、absentの3つに分類し、単一の微細模様で構成されるものをmono type、複数の微細模様で構成されるものをmixed typeとしている。また血管構造をabsent pattern、network pattern、ISV pattern、irregular microvascular patternの4つに分類している。そしてmixed typeかirregular microvascular patternが出現した際に高異型度腺腫もしくは腺癌と診断している。また十二指腸の診療において術前と術後の病理診断の一致率の低さも大きな問題点である。本稿では画像強調内視鏡を用いた十二指腸非乳頭部腫瘍の診断を中心に、十二指腸の内視鏡診断のコツとポイントを解説する。
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