十二指腸腫瘍性病変に対する診療の進歩
十二指腸非乳頭部 腺腫・粘膜内癌・浸潤癌の鑑別を中心に
郷田 憲一
1
,
土橋 昭
,
原 裕子
,
樺 俊介
,
小林 雅邦
,
田尻 久雄
1東京慈恵会医科大学 内視鏡科
キーワード:
質問紙法
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
上皮内癌
,
鑑別診断
,
術前診断
,
生検
,
腺腫
,
発生率
,
腫瘍の早期診断
,
狭帯域光観察
Keyword:
Adenoma
,
Biopsy
,
Carcinoma in Situ
,
Duodenoscopy
,
Duodenal Neoplasms
,
Diagnosis, Differential
,
Neoplasm Invasiveness
,
Surveys and Questionnaires
,
Incidence
,
Early Detection of Cancer
,
Narrow Band Imaging
pp.1587-1595
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015053659
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本邦において表在性非乳頭部十二指腸腫瘍の発見頻度は高まっている.しかし,治療方針決定に重要な腺腫と癌の内視鏡的鑑別点など明らかになっていない.国内多施設アンケート調査によって396病変を集積・解析した結果,発赤調,腫瘍径≧6mmは高度異型腺腫/表在癌において有意に頻度が高く,術前診断において内視鏡の正診率は生検組織より高かった.腺腫/表在癌に対する十二指腸ESDの偶発症発生率は高く(37.8%:そのうち,穿孔29%),現時点においてESDは標準的内視鏡治療とはなりえないと考えられた.SM浸潤癌はわずか10病変と少なく,その特徴的内視鏡像の検討には,さらなる症例の集積が必要である.
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