特集 十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診療を巡って―現状と課題
2 .十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の臨床病理と分子生物学を巡って(2)形質発現と悪性度
鳥羽 崇仁
1
,
岡本 陽祐
1,2
,
菊池 大輔
2
,
飯塚 敏郎
2
,
布袋屋 修
2
,
五十嵐 良典
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
2虎の門病院消化器内科
キーワード:
表在性非乳頭部十二指腸腫瘍
,
粘液形質
Keyword:
表在性非乳頭部十二指腸腫瘍
,
粘液形質
pp.1225-1230
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000495
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表在性非乳頭部十二指腸腫瘍(SNADET)はまれな疾患であるが,近年,内視鏡機器の進歩により発見される機会が増加している.しかし,その病態については未だ明らかにされていない.今回筆者らは粘液形質と悪性度の相関について明らかにするため,内視鏡切除したSNADET 138病変を用いて検討した.組織学的異型度は低異型度腺腫と高異型度腺腫/癌の2群に分けて検討した.高異型度腺腫/癌では,低異型度腺腫と比較してMUC5AC (p=0.002),MUC6(p<0.001)発現が有意に多く,CD10(p=0.002),CDX2(p=0.029)発現が有意に少なかった.また,多変量解析で高異型度腺腫/癌のリスク因子として,MUC6 expression (p=0.001)発現が抽出された.SNADETにおける胃型形質発現は高異型度の指標になる可能性が示唆された.
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