膵癌update
Ⅲ 治療 ⑦治療方針(切除不能)
藤澤 聡郎
1
,
高橋 翔
1
,
鈴木 彬実
1
,
冨嶋 享
1
,
金澤 亮
1
,
石井 重登
1
,
斉藤 紘昭
1
,
伊佐山 浩通
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科
キーワード:
アルゴリズム
,
locally advanced 膵癌
,
metastatic 膵癌
,
免疫療法
,
ステント療法
Keyword:
アルゴリズム
,
locally advanced 膵癌
,
metastatic 膵癌
,
免疫療法
,
ステント療法
pp.848-854
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000402
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膵癌は21世紀に残された消化器癌といわれ,その治療法の開発に多くの研究者の労力が注がれている.その労力に呼応するように21世紀に入ってから,化学療法からステント療法まで治療法の進化も目を見張るものがある.1990年代は非切除例の生存期間の中央値が4.3カ月であったのと比較して,現在もっとも効果の高い化学療法のレジメンであるFOLFIRINOXでは11.1カ月と実に約2.5倍も延長している.膵頭部癌による閉塞性黄疸に対するステント療法に関しても,1990年代初頭,それまでプラスチックステント(PS)が主流であったが,内視鏡下に留置するuncovered金属ステント(SEMS)が実用化されることにより黄疸のコントロールが飛躍的に進歩した.2000年代に入り,covered SEMSの有用性が証明されることにより,さらにステントの開存期間が延長し,化学療法の安定的な施行や患者のQOLの上昇につながった.膵癌の治療法は毎年のように進化しており,それを反映して「膵癌診療ガイドライン」も2006年の初版から最新の2016年版までの約10年間で3回も主改訂を重ねている.
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