膵癌update
Ⅲ 治療 ⑥遠隔転移を伴う膵癌のConversion手術
岡田 健一
1
,
山上 裕機
1
1和歌山県立医科大学第2外科
キーワード:
転移性膵癌
,
Conversion 手術
,
手術適応
,
切除タイミング
Keyword:
転移性膵癌
,
Conversion 手術
,
手術適応
,
切除タイミング
pp.843-847
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000401
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膵癌は2030年にはがん死亡原因の第2位になると予想されている.本邦の膵癌診療ガイドライン2016年版において,転移性膵癌の治療法は化学療法が推奨されている.しかし,近年における強力な化学療法レジメンの導入により,遠隔転移を認めても,長期間少数の転移巣に変化を認めない場合や,消失を認める症例の報告が増加してきている.その場合に転移巣の切除をどうするか,というクリニカルクエスチョンは,まだガイドラインに示されていない.臨床現場では転移性膵癌に対する外科治療の方針決定は,日常的問題になりつつある.このような現状に基づき,本稿では,近い将来にConversion手術の治療指針が作成されるときに参考となる切除不能膵癌や術後孤立性再発の外科治療成績を紹介し,遠隔転移を伴う切除不能膵癌の治療アルゴリズムを提案する.
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