特集 緊急内視鏡の適応と実際
13.高齢者における緊急内視鏡の注意点
河口 剛一郎
1
,
池淵 雄一郎
1
,
八島 一夫
1
,
磯本 一
1
1鳥取大学機能病態内科学
キーワード:
高齢者
,
緊急内視鏡
,
薬剤起因性潰瘍
,
NSAIDs
,
抗血栓薬
Keyword:
高齢者
,
緊急内視鏡
,
薬剤起因性潰瘍
,
NSAIDs
,
抗血栓薬
pp.561-566
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000325
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高齢者における緊急内視鏡検査において,上部消化管出血はもっとも頻度の高い疾患であり,なかでも出血性胃十二指腸潰瘍の割合が高いが,その成因として薬剤起因性潰瘍の重要性が増している.上部消化管出血患者のなかで,高齢者では非高齢者に比べ,重篤な併存疾患をもつ患者,およびNSAIDs や抗血栓薬を使用する患者が高率に存在する.上部消化管出血に対する内視鏡的止血術の成績は概ね良好であるが,高齢者,とくに重篤な併存疾患を有する患者では,出血イベントをきっかけに併存疾患の悪化により予後不良の転帰をたどる者があり,注意を要する.急性期に予後を予測すること,またそもそも消化性潰瘍出血を起こさせないよう予防することが肝要である.
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