特集 緊急内視鏡の適応と実際
8 .膵臓
瀧川 有記子
1
,
潟沼 朗生
1
,
高橋 邦幸
1
,
林 毅
1
,
矢根 圭
1
,
金 俊文
1
キーワード:
胆石性膵炎
,
閉塞性膵管炎
,
外傷性膵損傷
,
ERCP
Keyword:
胆石性膵炎
,
閉塞性膵管炎
,
外傷性膵損傷
,
ERCP
pp.527-534
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000320
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
膵臓関連の救急疾患のうち,緊急での内視鏡処置を要するものとして,胆石性膵炎,閉塞性膵管炎や外傷性膵損傷が挙げられる.胆石性膵炎は急性膵炎の約1/3 と頻度が高く,胆道通過障害が遷延する場合には早期の内視鏡処置が必要である.慢性膵炎に伴う膵石や膵腫瘍により主膵管に閉塞機転が存在する場合,閉塞性膵管炎をきたすことがあるが,時に敗血症を伴うほど重症化することがあり,緊急膵管ドレナージの適応となる.また,外傷性膵損傷においては主膵管損傷の有無が治療方針決定に重要である.その診断法として膵管造影がもっとも有用とされ,早急な判断が求められる.主膵管損傷が存在する場合は膵切除・再建を伴う外科手術の適応となるが,膵管ステント留置による保存的治療が奏効したとする報告もあり,治療においても内視鏡処置が重要な役割を担っている.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.