特集 慢性便秘―新たな分類と病態・診断・治療
5.治療(8)外科的治療
吉岡 和彦
1
,
徳原 克治
1
1関西医科大学総合医療センター消化管外科
キーワード:
順行性洗腸法
,
大腸切除
,
排出障害
,
直腸脱
,
直腸瘤
Keyword:
順行性洗腸法
,
大腸切除
,
排出障害
,
直腸脱
,
直腸瘤
pp.435-439
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000294
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慢性便秘症に対しては保存的治療が中心であり,外科治療が行われることはまれである.しかし,症例によっては積極的に外科的治療を行うことが患者にとって効果的な場合もある.2017 年に発刊された「慢性便秘症診療ガイドライン」では順行性洗腸法,大腸切除術,排出障害に対する外科的治療の3 項目が記載された.順行性洗腸法は内視鏡的盲腸瘻造設術などにより侵襲性の高い手術や人工肛門を回避する手段である.大腸切除術は理論上,大腸のみの通過遅延型による便秘には理想的な術式である.また便排出障害に対する外科的治療は,便秘症の原因が直腸脱や直腸瘤などであることが明らかな症例に対して行われる.これらの術式は特殊なものであり,重篤な合併症の報告もあるので慎重な施行が求められる.
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