特集 慢性便秘―新たな分類と病態・診断・治療
5.治療(7)慢 性便秘症の心理的異常,薬物療法,心理療法とバイオフィードバック
福土 審
1
1東北大学病院心療内科/東北大学大学院医学系研究科行動医学
キーワード:
慢性便秘症
,
過敏性腸症候群
,
薬物療法
,
心理療法
,
バイオフィードバック
Keyword:
慢性便秘症
,
過敏性腸症候群
,
薬物療法
,
心理療法
,
バイオフィードバック
pp.427-434
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000293
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慢性便秘症患者においては,約60%に不安やうつを代表とする心理的異常を認める.これらの患者では,健常者に比して心理的異常の尺度が高い.便秘型過敏性腸症候群は頻度が高く,患者の生活の質を障害し,早期社会不適応の重大な原因となり,不安障害,うつ病,身体化との併存率が高い.過敏性腸症候群患者のもつ特定の認知がある.破局視と消化管症状特異的な不安である.過敏性腸症候群に抗うつ薬と心理療法,慢性便秘症のなかでも機能性排便障害を伴う場合にバイオフィードバック療法が有効である科学的なエビデンスが集積してきている.しかし,まだその奏効機序に不明な点は少なくない.今後,さらなる高品質な研究デザインによる治療研究が必要不可欠である.
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