特集 慢性便秘―新たな分類と病態・診断・治療
2.疫学― 有病率・家族内集積・性差・年齢・BMI・予後
千葉 俊美
1
1岩手医科大学口腔医学講座関連医学分野
キーワード:
慢性便秘
,
疫学
,
有病率
,
家族内集積
,
性差
,
年齢
,
BMI
,
予後
Keyword:
慢性便秘
,
疫学
,
有病率
,
家族内集積
,
性差
,
年齢
,
BMI
,
予後
pp.377-382
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000284
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わが国の便秘の有訴者数は2~5%程度といわれ,加齢により有病率は増加し,50 歳以下の若年層では女性に多く,70 歳以上では男女比がほぼ1:1 となっている.家族内発症のメカニズムは未解明である.慢性便秘症は他の機能性消化管疾患との併存も多いが,BMI との関係については一定の見解は得られていない.生活習慣では,食物繊維の摂取不足,水分摂取不足,活動性の低下などが慢性便秘症を引き起こす要因となる.慢性便秘症の予後は比較的良好であるが,QOL の低下が認められ,慢性便秘の消化管外合併症として尿閉,下肢静脈瘤などが挙げられ,パーキンソン病や多発性硬化症といった神経疾患の罹患率が高く,うつ病や不安神経症などの精神疾患と便秘の関係も報告されている.慢性便秘症は心筋梗塞,狭心症などの虚血性心疾患が併発する頻度が高く,これらの合併症が予後を左右することもありうる.
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