Japanese
English
特集 精神医療に関する疫学のトピック—記述疫学,リスク研究からコホート研究まで
日本における精神疾患の有病率に関する大規模疫学研究—成果とその意義
Large-scale Epidemiologic Studies of Prevalence of Mental Disorders in Japan:Findings and significance
川上 憲人
1
Norito Kawakami
1
1東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻精神保健学分野
1Department of Mental Health, School of Public Health, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
有病率
,
prevalence
,
受診率
,
help-seeking
,
地域調査
,
community-based surveys
,
構造化面接
,
structured interview
Keyword:
有病率
,
prevalence
,
受診率
,
help-seeking
,
地域調査
,
community-based surveys
,
構造化面接
,
structured interview
pp.427-436
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206310
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抄録 日本における精神疾患の有病率に関する大規模疫学研究として,2002〜2006年に実施された世界精神保健日本調査(WMHJ1)と,2013〜2015年に実施された世界精神保健日本調査セカンド(WMHJ2)を紹介し,その意義について述べる。これらの調査は地域住民を対象にして,訓練を受けた調査員が対象者の自宅を訪問してWHO統合国際診断面接第3版と呼ばれる構造化面接により気分・不安・物質関連障害の診断に必要な情報を収集し,また受診行動についてたずねた。WMHJ1とWMHJ2ではアルコール乱用・依存を除けば有病率に大きな差はなかった。一方,WMHJ2では男性の精神科への受診率が増加していた。精神疾患の有病率に関する大規模疫学研究は,このように精神保健施策の立案や評価に有用であるとともに,精神疾患の発生機序に関する研究を促進することにも貢献する。
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