特集 慢性便秘―新たな分類と病態・診断・治療
1.定義・分類・診断基準
味村 俊樹
1
1三慶会指扇病院排便機能センター
キーワード:
排便回数減少型便秘
,
排便困難型便秘
,
大腸通過正常型便秘
,
大腸通過遅延型便秘
,
便排出障害
Keyword:
排便回数減少型便秘
,
排便困難型便秘
,
大腸通過正常型便秘
,
大腸通過遅延型便秘
,
便排出障害
pp.367-375
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000283
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「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では,「便秘」は,「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義された. 便秘の分類としては,従来の痙攣性・弛緩性・直腸性を廃止し,症状の観点から排便回数減少型と排便困難型に分類して初期診療を行い,それでも症状が十分に改善しない場合に,病態の観点から,専門的検査を用いて大腸通過正常型,大腸通過遅延型,便排出障害に分類する.「慢性便秘症」の診断基準は,国際的に使用されているRome 基準の「機能性便秘」の診断基準を翻訳改変して作成した.ただし,Rome 基準で「機能性便秘」から除外されている過敏性腸症候群は,慢性便秘症の原因の一つと考え,本診断基準では,Rome 基準に記載されている「過敏性腸症候群の基準を満たさない」と「下剤を使用しないときに軟便になることはまれである」の条件は除外した.
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