特集 明日から始める「性差医療」—性差とライフステージを考える
領域あるいは疾患ごとの性差を踏まえた診療実践
うつと性差—有病率・症状の性差と特有の病態
布施 泰子
1
1茨城大学保健管理センター
キーワード:
うつ病
,
性差
,
月経前不快気分障害
,
PMDD
,
周産期
,
更年期
Keyword:
うつ病
,
性差
,
月経前不快気分障害
,
PMDD
,
周産期
,
更年期
pp.293-297
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620020293
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Point
◎うつ病の有病率には性差があり,生涯有病率は女性が男性の約2倍であり,10代から70代以上まで各年代で差がある.
◎うつ病の併存疾患には性差があり,女性では不安症,神経性過食症,身体症状症,男性ではアルコールやその他の薬物の使用症が多い.
◎うつ病の症状には性差があり,女性では食欲増進,体重増加,過眠,対人関係の敏感さの亢進,胃腸症状や痛みが多い.
◎うつ病の性差には,性ホルモンの影響などの生物学的要因と,社会的格差などの社会的要因の双方が関係している.
◎月経前不快気分障害(PMDD),周産期抑うつエピソードは女性に特有であり,更年期には男女ともしばしば抑うつエピソードを発症する.
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