臨床
年齢でみる身長低下と椎体骨折有病率
中西 加菜
1
,
新美 塁
,
伊藤 秀樹
,
福田 孝二
,
河野 稔文
,
河野 稔彦
1富田浜病院 リハビリテーション課
キーワード:
X線診断
,
骨密度
,
身長
,
脊椎骨折
,
有病率
,
身体計測
,
ROC曲線
,
年齢因子
Keyword:
Anthropometry
,
Age Factors
,
Body Height
,
Radiography
,
ROC Curve
,
Spinal Fractures
,
Prevalence
,
Bone Density
pp.1551-1556
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017077519
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本研究では身長低下と既存椎体骨折の関係を年齢別に調査し、そのスクリーニング精度を明らかにする目的で、骨粗鬆症を疑った1250例(男性285例、女性965例、平均年齢76±10歳、平均身長153±10cm)を対象に検討した。胸腰椎X線正面像を用い、Genantの半定量的評価法によりGrade 1以上を骨折ありと判断した。また、胸腰椎MRI撮像した症例ではT1W1で低信号を認めた症例を椎体骨折ありとした。その結果、1250例の年齢を5群に分けて比較すると、高齢群ほど平均身長は低下し、身長低下量や既存椎体骨折有病率は増加していた。5群の多重解析では身長のみ40~60歳群と61~70歳群で有意差を認めず、それ以外の群間には有意差を認め、加齢とともに身長が低下する傾向がみられた。また、加齢に伴う身長低下量と既存椎体骨折の関係は希薄となり、70歳を超えると身長低下量を用いた既存椎体骨折診断の信頼性は低下した。以上より、低身長を用いた既存椎体骨折のスクリーニングは70歳以下の群で有用と考えられた。
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