特集 消化器癌の拡大内視鏡診断
12.Colitic cancer/dysplasia の拡大観察診断
樋田 信幸
1
1兵庫医科大学炎症性腸疾患内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
dysplasia
,
拡大観察
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
dysplasia
,
拡大観察
pp.1749-1754
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000172
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UC 関連腫瘍(colitic cancer/dysplasia)の多くがⅢ型,Ⅳ型,Ⅴ型といった腫瘍性pit patternを呈することから,これまで拡大内視鏡を用いたサーベイランスの有効性が報告されてきた.しかし,UC においては慢性炎症と再生によって背景粘膜の表面構造に変化が生じるため,単純に既存のpit pattern 分類に当てはめて腫瘍と非腫瘍を鑑別することは容易ではない.また,UC 関連腫瘍独特の病理組織学的な特徴から,散発性腫瘍において培われてきたpit pattern 診断学の多くが適応できない可能性があり,癌とdysplasia の鑑別,dysplasia と散発性腺腫の鑑別といった質的診断や腫瘍の範囲診断,癌の深達度診断に関しては,拡大観察の有効性は今のところ実証されていない.
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