特集 食道癌診療の進歩―現状と課題
4 .食道癌の治療(5)進行・再発癌に対する治療
稲垣 悠二
1
,
高島 淳生
1
,
朴 成和
1
1国立がん研究センター中央病院消化器内科
キーワード:
化学放射線療法
,
CF 療法
,
タキサン系薬剤
,
食道癌
Keyword:
化学放射線療法
,
CF 療法
,
タキサン系薬剤
,
食道癌
pp.1251-1256
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000082
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進行・再発食道癌のなかでも治癒切除不能である,① 切除不能局所進行食道癌と,② 遠隔転移を伴う進行・再発食道癌について述べた.切除不能局所進行食道扁平上皮癌は,根治的化学放射線療法が標準治療となる.根治的化学放射線療法で用いられる化学療法レジメンはCDDP/5‒FU 併用療法(CF 療法)が標準である.一方,遠隔転移を有する進行・再発症例に対しては緩和的化学療法が治療の主体となる.一次治療は,CF 療法,二次化学療法は,タキサン系薬剤が標準治療として位置づけられている.しかし,これらの標準治療では満足できる治療成績を得ることができず,より有効な治療法の開発が求められている.今後期待される治療としてドセタキセル/CDDP/5‒FU 併用療法(DCF 療法),免疫チェックポイント阻害薬などがあり,現在,臨床試験が進行中である.
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