Japanese
English
今月の主題 食道SM扁平上皮癌治療の新展開
序説
食道SM扁平上皮癌治療の新展開
Introduction
平澤 大
1
Dai Hirasawa
1
1仙台厚生病院消化器内科
キーワード:
食道癌
,
歴史
,
内視鏡切除
,
外科切除
,
化学放射線療法
Keyword:
食道癌
,
歴史
,
内視鏡切除
,
外科切除
,
化学放射線療法
pp.1223-1225
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202132
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食道表在癌の内視鏡診断のあゆみ
1868年にKussmaulが真鍮製の直管を大道芸人の呑刀の体位で食道に挿入したのが人体の食道観察の最初と言われている.1900年初頭には硬性鏡の開発が始まったが,当時は食道表在癌を内視鏡で診断できる精度はなかった.
1960年頃から軟性鏡の食道ファイバースコープが開発された.それ以前の食道SM癌の診断は主にX線造影検査で行われ,凹凸不整を伴うことや2mm以上の隆起を伴うことを根拠にSM癌と診断していた.しかしこれらは微細な変化なためX線造影はスクリーニングにはほとんど役に立たなかった1).一方で,軟性鏡は急速に機能が向上した.1965年に食道ファイバースコープがオリンパス光学,町田製作所で作製された.アングル機構や鉗子孔,送水・送気ボタンを備え,ほぼ現在の内視鏡と変わりはない構造で,鉗子孔から処置具を通しての治療もできるようになった.X線造影所見をファイバースコープでなぞらえることでSM癌の診断は可能であったが,粘膜内癌は平坦で色調変化が乏しいことから発見は極めて困難であった.
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