特集 食道癌診療の進歩―現状と課題
4 .食道癌の治療(6)緩和療法
白井 聖一
1
,
井口 幹崇
1
,
北野 雅之
1
1和歌山県立医科大学第二内科
キーワード:
食道癌
,
緩和療法
,
通過障害
,
食道ステント
Keyword:
食道癌
,
緩和療法
,
通過障害
,
食道ステント
pp.1257-1263
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000083
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食道癌における特徴的な緩和療法として,食道狭窄による嚥下・通過障害に対する治療がある.通過障害に対し経口摂取を目的とした治療として,食道ステントやバイパス術があるが,現在は侵襲性が低い自己拡張型金属ステント(SEMS)が主流である.上部・下部食道用を含め種々のステントがあり,症例に応じて選択する必要がある.放射線治療前後のステントに関してもその適応が拡大してきている.ステントの適応がない場合は,胃瘻などの栄養瘻の造設が検討される.出血については,持続的な漏出性出血により高度貧血を呈する症例は少ないが大動脈などに穿破すると致命的となる.最近,気道狭窄に対しても金属ステントが用いられるようになってきている.
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