特集 胆膵EUS の進歩
3.EUS—FNA による診断(1)膵診断
岩屋 博道
1
,
肱岡 範
1
,
水野 伸匡
1
,
桑原 崇通
1
,
奥野 のぞみ
1
,
原 和生
1
1愛知県がんセンター中央病院消化器内科部
キーワード:
早期膵癌
,
IPMN
,
リスクファクター
,
自己免疫性膵炎
Keyword:
早期膵癌
,
IPMN
,
リスクファクター
,
自己免疫性膵炎
pp.1099-1108
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000056
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超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS‒FNA)が診断に有用であるおもな膵疾患として,通常型膵癌(PDAC),膵神経内分泌腫瘍(pNET),自己免疫性膵炎(AIP),膵囊胞性疾患が挙げられる.PDAC に関しては,穿刺針の改良に加え遺伝子解析を組み合わせることにより診断率がさらに向上してきている.また,pNET では,質的診断のみならず悪性度診断が治療方針に大きく関わるためEUS‒FNA の果たす役割は大きい.AIP においては,EUS‒FNA はPDAC の除外診断として重要なツールであるが,既存の穿刺針のみでは採取される組織検体量不足の問題があり質的な確定診断に至らない場合も少なくない.一方,膵囊胞性疾患における粘液性状判別や良悪性鑑別のための囊胞液分析や囊胞液細胞診はいずれも感度が低く,現状の診断ツールでは有用性に乏しいため積極的には推奨されない.
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