特集 長期透析の現況・課題と対策
3.長期透析患者にみられる病態(6)長期透析患者に多い肝炎の現況と治療,感染予防
安藤 亮一
1
,
高橋 大栄
2
1石川記念会
2武蔵野赤十字病院腎臓内科
キーワード:
B型肝炎
,
C型肝炎
,
院内感染予防
,
ガイドライン
,
抗ウイルス薬
Keyword:
B型肝炎
,
C型肝炎
,
院内感染予防
,
ガイドライン
,
抗ウイルス薬
pp.397-404
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003370
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長期透析患者では,ウイルス性肝炎の有病率が高く,特にC型肝炎の有病率がいっそう高くなる.原因としては,ウイルス性肝炎関連腎症,輸血,透析施設での院内感染が考えられる.院内感染対策には,標準予防策を基本に,サーベイランスを定期的に行い,感染患者の隔離やベッド固定をガイドラインに則って施行する.ウイルス性肝炎の透析患者に対しては,肝臓専門医へのコンサルテーションを行い,肝硬変や肝癌の発生を抑えるために,B型肝炎では核酸アナログ製剤,C型肝炎では直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療を考慮する.B型肝炎はワクチンによる予防が有効である.C型肝炎にワクチンはないが,DAAによるウイルス排除は感染予防にも有効である.

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