特集 長期透析の現況・課題と対策
3.長期透析患者にみられる病態(5)QOLとメンタルヘルス
政金 生人
1
1清永会矢吹病院
キーワード:
QOL
,
患者の愁訴
,
透析処方
,
患者のプライオリティ
Keyword:
QOL
,
患者の愁訴
,
透析処方
,
患者のプライオリティ
pp.391-396
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003369
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透析患者は,疲労感,かゆみや睡眠障害などさまざまな透析関連愁訴を抱えており,一般的にこれらの症状は透析歴とともに増加し,透析患者のQOLを低下させていくと考えられている.筆者らの経験から,患者の訴える愁訴をアウトカムにして透析処方を工夫することで,透析関連の愁訴はある程度低減させることができるのではないかと思われた.透析を工夫することで透析患者のQOLを改善させる可能性があるということを医療者は認識する必要がある.一方で,透析が長期になると睡眠障害やゆううつ感,食事への不満などメンタルヘルスの不調を訴える患者の割合が増加していた.睡眠障害への適切な対応,患者の生きる気力を育むこと,患者のプライオリティを知りそれに寄り添うことが大切である.

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