特集 クリニックで子どもの肝機能障害をみたとき
1.ウイルス性肝炎
高野 智子
1
1大阪急性期・総合医療センター小児科
キーワード:
B型肝炎
,
C型肝炎
,
B型肝炎ワクチン
,
母子感染
,
水平感染
Keyword:
B型肝炎
,
C型肝炎
,
B型肝炎ワクチン
,
母子感染
,
水平感染
pp.351-358
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001243
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
小児においてウイルス性肝炎の頻度は高くないが,肝機能障害を認めた場合は鑑別すべき疾患である.ウイルス性肝炎はA型からE型まであるが,小児ではA型,B型,C型が多く,スクリーニングとしてIgM-HAV抗体,HBs抗原,HCV抗体検査を行う.B型肝炎は母子感染や乳幼児期の水平感染による慢性肝炎が多く,ALT,抗原・抗体価,HBV-DNA量から病期を判断し,肝炎が続く時は治療が必要な場合があり専門施設に相談する.C型肝炎は母子感染による慢性肝炎がほとんどで,直接作用型抗ウイルス薬治療(12歳以上保険適用)により持続的ウイルス消失が可能となった.B型肝炎もC型肝炎も肝細胞がんに進展する可能性があり,肝臓内科へのトランジションが必要である.
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.