特集 透析患者の骨粗鬆症と骨折を理解する
4.骨粗鬆症の薬物治療(3)ビスホスホネート製剤
谷口 正智
1
1福岡腎臓内科クリニック
キーワード:
骨粗鬆症
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
顎骨壊死
,
非定型大腿骨骨折
Keyword:
骨粗鬆症
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
顎骨壊死
,
非定型大腿骨骨折
pp.283-289
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003339
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透析患者の骨病変に対する治療は,まず副甲状腺ホルモン(PTH)を低く保つことが重要であり,そのうえで骨粗鬆症治療薬の投与を考慮する.腎機能に影響を受けない骨代謝マーカーを用いて,高回転型骨粗鬆症と判断した場合には,ビスホスホネート (BP)などの骨吸収抑制薬が良い適応となる.BPは既存の骨粗鬆症治療薬のなかで最もエビデンスレベルが高い薬剤であるが,基本的に腎排泄型であり,透析患者に投与する場合には蓄積性が問題となる.BPの副作用のなかでも顎骨壊死や非定型大腿骨骨折は,高度の骨代謝回転抑制が関与しており,漫然とBPを長期間投与することは好ましくない.本稿では,透析患者におけるBP投与の注意点を中心に概説する.

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