特集 透析患者の骨粗鬆症と骨折を理解する
4.骨粗鬆症の薬物治療(2)ビタミンD製剤
鈴木 正司
1
1信楽園病院腎センター
キーワード:
骨粗鬆症
,
骨塩量
,
転倒
,
骨折
,
ビタミンD製剤
Keyword:
骨粗鬆症
,
骨塩量
,
転倒
,
骨折
,
ビタミンD製剤
pp.277-282
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003338
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日本腎臓学会ではCKD・透析例の骨粗鬆症への積極的治療を推奨していないが,治療が不要なのではなく,十分な裏付けデータが存在しないためである.わが国の骨粗鬆症治療には,ビタミンD製剤ではアルファカルシドール,カルシトリオール,エルデカルシトールが認可され,その他の骨塩量(BMD)を増加させる薬剤類も含めて,全てが高齢者や閉経女性のエビデンス(BMD増加と骨折減少)に依拠している.CKD・透析例での骨強度の改善には,単にBMDの増加で十分とはいえず,(尿毒症性)骨質劣化の改善も無視できないと想定されるため,今後この範疇の患者を対象とした質の高いエビデンスが求められる.

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