特集 世間の荒波にもまれるCKD-MBD 治療
【コラム】ビスホスホネート製剤はCKD-MBDに適用できるか?①賛成の立場から
稲葉 雅章
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1大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学
キーワード:
CKD(慢性腎臓病)
,
CKD-MBD(CKD に伴うミネラル骨代謝異常)
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
骨粗鬆症治療薬
Keyword:
CKD(慢性腎臓病)
,
CKD-MBD(CKD に伴うミネラル骨代謝異常)
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
骨粗鬆症治療薬
pp.392-395
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001235
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CKD 合併骨粗鬆症では,eGFR<60 mL/min のCKD ステージ3 で血清PTH 上昇は始まり,PTH 過剰症に伴う皮質骨多孔症が生じる.PTH の骨吸収促進作用は女性ホルモンによって抑制されることから,閉経後女性ではCKD に伴うPTH 亢進により骨吸収の程度が増強される.CKD ではPTH 過剰症に加え,高齢,サルコペニアや低栄養,さらには糖尿病合併により骨粗鬆症性合併例が高率となる.最近,骨吸収亢進に伴う骨からのリン放出増大が血管障害,保存期では腎障害を惹起することが示された.したがって,皮質骨骨折を防止するビスホスホネート製剤は大腿骨頸部骨折リスクを低減するのみでなく心血管障害防止という観点からも有用となる.CKD 患者に対するビスホスホネート製剤投与の有効性も以前とは異なり,2017 年KDIGO CKD―MBD ガイドラインで提唱されている.ただし,CKD 患者でのビスホスホネート製剤投与は薬剤によっては禁忌であったり慎重投与となっており,投与に当たって注意を要するポイントも概説する.
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