特集 透析患者の糖尿病治療
4.透析患者における血糖管理(5)インスリン治療
田中 伸枝
1
1東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学分野
キーワード:
糖尿病
,
透析患者
,
インスリン療法
Keyword:
糖尿病
,
透析患者
,
インスリン療法
pp.50-57
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003279
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透析患者のうち糖尿病患者の占める割合は高く,使用可能な経口糖尿病薬が増えてきているものの,現場でインスリン療法を行う機会は少なくない.透析患者においては,インスリン・クリアランスの低下や尿毒症物質によるインスリン抵抗性の増大などにより,非透析患者とは糖代謝が異なるため,インスリン量の調整が必要となる.さらに,インスリン製剤には発現時間,作用時間が違うさまざまな種類があり,透析患者の血糖変動に合った薬剤を選択することが重要である.また,腎不全状態ではHbA1cが血糖の指標にならないこともあり,グリコアルブミンや血糖自己測定などの測定が必要となってくる.近年では持続血糖測定(CGM)などの測定器も普及してきており,ソフトウェアのアプリケーションなども併用したさまざまな血糖管理の方法がある.
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