特集 透析室でかかわるアフェレシス
5.ネフローゼ症候群―難治性ネフローゼ症候群へのLDLアフェレシス療法対象疾患の保険適応拡大による新たな展開
武曾 惠理
1
1京都華頂大学現代生活学部・食物栄養学科
キーワード:
LDLアフェレシス
,
難治性ネフローゼ症候群
,
巣状糸球体硬化症
,
膜性腎症
,
微小変化型ネフローゼ症候群
,
POLARIS研究
Keyword:
LDLアフェレシス
,
難治性ネフローゼ症候群
,
巣状糸球体硬化症
,
膜性腎症
,
微小変化型ネフローゼ症候群
,
POLARIS研究
pp.1617-1623
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003236
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
治療抵抗性の難治性ネフローゼ症候群の原因疾患として巣状糸球体硬化症(FSGS)が挙げられるが,膜性腎症(MN)や微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)は頻度が高く,難治になれば予後不良で透析療法を必要とする.これらに対して,随伴する薬剤抵抗性の高コレステロール血症の腎毒性に注目したLDLアフェレシス療法は,高脂血症の改善のみならず,腎障害性要因の急激な除去により,腎機能改善とネフローゼ症候群の寛解導入も期待でき,有力な補助療法として注目されてきた.保険収載される対象疾患が1992年来FSGSに限定されていたが,POLARIS研究などの前向きエビデンスを経て,2024年6月よりMCNSとMNにも拡大され,今後新たな展開が期待できる.
Copyright © 2024, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.