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今月の特集 腫瘍随伴症候群
免疫学的機序によるもの
傍腫瘍性ネフローゼ症候群
Nephrotic syndrome as a paraneoplastic syndrome
榛沢 理
1
1秀和総合病院呼吸器内科
キーワード:
ネフローゼ症候群
,
糸球体疾患
,
膜性腎症
,
免疫グロブリンGサブクラス
,
IgGサブクラス
Keyword:
ネフローゼ症候群
,
糸球体疾患
,
膜性腎症
,
免疫グロブリンGサブクラス
,
IgGサブクラス
pp.1291-1295
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203460
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Point
●腫瘍抗原への免疫応答から生じる二次性糸球体疾患があり,腎病理は膜性腎症や微小変化群を呈しやすく,いずれも臨床的には尿中への大量のタンパク漏出を特徴とするネフローゼ症候群を呈することが多い.
●膜性腎症と癌との関連に関する知見が多く報告されており,日本人では膜性腎症における悪性腫瘍の合併は1.2%にみられ,合併する腫瘍は消化器癌が多く,肺癌がそれに次ぐ.
●ネフローゼ症候群の原因検索として腎生検が重要で,膜性腎症の場合には免疫グロブリンG(IgG)サブクラスの免疫染色で一次性あるいは二次性膜性腎症の推測がある程度可能である.
●傍腫瘍性ネフローゼ症候群は,悪性腫瘍の治療により改善する例もあるが,侵襲性の高い治療を行ううえで,ネフローゼ症候群に対する管理も十分に行う必要がある.
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