ケース・スタディ
血液透析導入後15年で,初めて原疾患が診断された1例
岸岡 歩
1
,
関根 章成
1
,
和田 健彦
1
1虎の門病院腎センター内科
キーワード:
多発性囊胞腎
,
ADPKD
,
遺伝子検査
,
血液透析
Keyword:
多発性囊胞腎
,
ADPKD
,
遺伝子検査
,
血液透析
pp.1578-1582
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003223
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症 例:63歳,男性 主 訴:左背部痛 既往歴:特記事項なし 家族歴:腎囊胞,および腎不全の家族歴は明らかでない 生活歴:喫煙;なし,飲酒;機会,アレルギー;薬剤なし・食物なし・その他なし 内服歴:特記事項なし 現病歴:約30年前に臨床症状と腎生検結果からIgA血管炎の診断となりステロイド治療を施行されるも腎機能障害は進行し,約15年前に血液透析導入となった.当時の画像検査としては腹部超音波で単発の腎囊胞を指摘されていただけであった.今回,左背部痛を自覚し腹部超音波で左腎に囊胞内出血が疑われ,当院紹介初診.単純CT,MRI所見とCRP 10 mg/dL以上の炎症反応上昇より囊胞内出血のみならず腎囊胞感染を合併していると考え,抗菌薬点滴加療および退院後長期の抗菌薬内服加療を行った. 身体所見:身長167.6 cm,体重69.1 kg,体温36.2℃,血圧158/88 mmHg,脈拍73/min,眼瞼結膜貧血なし,眼球結膜黄疸なし,肺音清,心音整,心雑音なし,腹部平坦・軟・圧痛なし,左背部に安静時痛・叩打痛あり,下腿浮腫なし,紅斑・紫斑なし,体表リンパ節触知せず 検査所見:表
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