特集 学びなおし腹膜透析
9.併用療法の導入について―タイミングと対応
植田 敦志
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1ひたち腎臓病・生活習慣病クリニックたんぽぽ
キーワード:
残存腎機能
,
溶質除去不足
,
体液過剰
,
透析効率
Keyword:
残存腎機能
,
溶質除去不足
,
体液過剰
,
透析効率
pp.633-639
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003011
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腹膜透析(PD)+血液透析(HD)併用療法は,PDで開始された患者が,残存腎機能低下によって生じる溢水や透析不足が生じた際に選択される透析方法で,2021年現在PD患者の約2割が実施している.通常,PDの腹膜休息日を週2日設け,そのなかで1日はHDを実施する方法である.PD+HD併用療法の開始のタイミングは,PD診療のなかで,透析不足や体液過剰をチェックし,適切に開始の判断を行う必要がある.PD+HD併用療法は,HDで透析を補完することにより十分な透析量と良好な体液コントロールが得られ,貧血,栄養状態の改善ももたらす.この治療はPDで導入された患者のHD移行前の確立された治療法として普及してきており,心血管系合併症の発症予防にも効果を認めるとの報告もあり,今後も発展が期待される.
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